加藤先生のコラム

<夏バテと漢方について2>

遅れた梅雨入りも束の間、6月下旬からは強烈な日差しが注ぎ、猛暑が続いています。西日本では過去最も早い梅雨明けが発表されました。

まだ暑さに対する馴化が進まないうちに暑気にさらされ、体調を崩されている方も多いのではないかと拝察します。

さて、昨年もこのコラムで夏バテの漢方をご紹介しましたが、実際にお薬を試されて、大きな効果があったとおっしゃる方が何人かいらっしゃいました。外の仕事でばてばてだった体が、すーっと軽くなったとのお声も伺いました。

「清暑益気湯」

夏バテといったら、まずこの漢方です。暑さによるだるさや食欲不振などの症状を和らげ、元気を増してくれる処方です。

「六君子湯」

食用不振にはこの漢方がおすすめです。暑さで胃腸が弱り食欲が落ちてしまったときや、エアコンの冷気で手足が冷えてしまいがちなときには、ぜひお試しいただきたいと思います。

「補中益気湯」

体のだるさが著しい場合に用います。暑さで食欲が落ち、全身倦怠感をともない、夏痩せを経験するような方に向いています。清暑益気湯に内容が似ていますが、エアコンの効いている部屋で休んでいるのに疲れが取れない場合には、こちらの漢方がよく効きます。

暑い日々がまだ続きそうですね。元気に夏を乗り越えるのに、漢方はきっとお役に立てると思います。

武川病院 
加藤 淳也